九州産直通信

福岡市美術館|【ミュシャ展】アール・ヌーヴォーに触れる

九州に住む美術を愛する皆さ〜ん!

4月から福岡市美術館で公開されている「ミュシャ展」にはもう行きましたか?
デザインに携わる仕事をしている身として、ミュシャの美術的な
グラフィック、プロダクトデザインを実際に見られる絶好の機会!

公開予定された時から楽しみにしていた
「ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者」に行って参りました。

今回はデザイン制作担当のスタッフより主観も入った感想を交えながら、
素晴らしい作品たちをご紹介したいと思います。

「アール・ヌーヴォーの旗手」芸術家ミュシャ

まず、ミュシャってどんな人?どんなジャンルなの?

アルフォン・マリア・ミュシャ(1860-1939)はチェコの出身。
働きながらデッサン学校に通い、その後芸術について学びながら才能伸ばし続け、
フランス、パリでデザイナー、挿絵画家としてデビュー。
その仕事の中で大女優サラ・ベルナールの舞台ポスターを手掛け当時のパリにおいて大好評!
「アール・ヌーヴォーの旗手」と呼ばれその名を欲しいままに地位を確立していきました。

アール・ヌーヴォー=ミュシャ、と言っても過言ではないくらい有名ですね!

【ちょっと補足】「アール・ヌーヴォー」って何?

19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に開花した国際的な美術運動。「新しい芸術」を意味する。
花や植物などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる従来の様式に囚われない装飾性や、
鉄やガラスといった当時の新素材の利用などが特徴。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

そんな素晴らしい芸術家の作品が今回、福岡市美術館にて展覧会が開催されました。
チェコ在住のズデニェク・チマル博士のコレクションから全169点を展示。
一日中眺められますよこれ!

そしてこの度、5月23日(火)に来場者数3万人を突破したそうです!

6月4日(日)まで開催されているのでまだ見てない方間に合いますよ〜!

福岡市美術館へGO!〜いざ入館〜

館内で作品はフラッシュをたかなければ撮影OK!でしたのでたくさん写真を撮ってきました。

展示会場への入り口は今回の目玉「《スラヴ叙事詩》展」1928年/チマル・コレクション」のポスターがお出迎え。
ミュシャの作品は紙面で展開しやすいのもポイントですね!

さあまずは1個目から…

最初の展示品を見た一言「すごっ」思わず言葉が出てしまうほどの精巧さと曲線の使い方に感動しました。
最初に観た作品は素描でしたが濃淡の表現が繊細で立体感がありました。

ミュシャが生み出す作品には「アール・ヌーヴォー」もあって草花を描かれていることが多いですが、
一つ一つに意味がもたらされ、どれも細かく美しい線で描かれています。
緻密で強弱もありながら絶妙なバランスで構成されており、終始心が踊っておりました。

商業デザインも数多く展示されており、お菓子の箱や切手、アクセサリーなど
たくさんのジャンルの中でもどれも目を引くものばかりです。
現代にも通ずる作品コンセプトもありデザイナーとしても活躍されているのが分かります。

書籍「装飾資料集」(アルフォンス・ミュシャ著)より図版pl.49、pl.59

ポスターや装飾パネルなど、数々の美麗な作品たち


ミュシャの作品といえば何を思い浮かべますか?

たくさんの大作を生み出してきたミュシャはどれも印象に残る作品ばかり。
その作品の中でも多くの人が名前を出す一つはこれではないでしょうか。

ミュシャを一躍有名にした伝説のポスターたち


大女優サラ・ベルナール演じる劇「ジスモンダ」のポスターを最初に、彼女の出演する数々の舞台ポスターはどれも完成された美しさがずらり。皆が立ち止まるのがわかる息をのむような迫力があります。

近くで見ると服の模様も細かく、下の方にあるモチーフも物語に沿って描かれストーリー性を感じられます。
金色の部分は光を反射し洗練されたポスターをさらに引き立たたせていました。

超大作の”歴史画シリーズ”「《スラヴ叙事詩》展ポスター」

ポスター「《スラヴ叙事詩》展」

実はこの女の子のモデルは、ミュシャの娘さん。
実際の写真もあり、見比べることができました。

それにしても大きい!
全長2メートル(目視)くらいのポスターは間近で見ると迫力あります。
民族衣装やスラヴの守護神など歴史と愛国心を感じさせる作品は故郷を思う心が伝わります。

上から流れる金色の部分は光の加減で表情を変えるので右から左から下からと頭を振りながら見ていました。
側から見たら完全に変な人になっていたことでしょう。
(後から来た方も頭を振りながら見ていたので多分正攻法の見方です)

装飾パネル最後のシリーズ「四つの星」

連作装飾パネル「星:月光」

個人的に好きな作品、ミュシャの手掛ける”装飾パネル”の最後のシリーズとなった
『四つの星』の中にある『月光』

この作品を間近で見た時も「うっ(つくしい)」と声が出てしまいました。
実際に見ると小さいですが月明かりが優しく、浮かび上がるような女性の線は柔らか笑みで描かれており、
どこか儚げな印象を持つ作品に仕上がっています。

下に描かれているのは毒性が強いため眠りの象徴とされている「白ケシ」。
装飾にもこだわって表現するのでメッセージ性を感じて見る人を楽しませてくれます。

まだまだ作品の一部ですが、どれも素敵な作品ばかりでここには全部書けません!笑
いつの時代でも廃れない良さがあり、人々の心に残り続ける作品を生み出す
「芸術の巨匠」たちを尊敬せざるを得ない体験でした。

ショップで思い出を買うまでが展覧会です

ポストカードはもちろん、栞やステッカー、バッグ、Tシャツなど
ミュシャの作品と日常を過ごせるグッズがたくさん!
この感動を思い出せるようにと色々選んでいたら結構な数を購入してしまいました。

部屋にはゴッホ展の時に購入した「糸杉と星の見える道」のポスターと一緒に飾っています。


100円均一の額縁でも作品の魅力を損なわせないで豪華になりました。
ミュシャの作品はリトグラフが多いので、ポスターのように額のない透明な写真立てや
シンプルな明るい色の額など割とどんな額縁にも合いました。

お土産を選ぶ際はぜひご参考にしてください!


最後に

福岡市美術館には「ゴッホ展」以来となりましたが、
今回も想像以上の技術と才能の芸術に触れしばらく余韻に浸っておりました。

冒頭でもお伝えしましたが、ミュシャ展は6月4日(日)まで開催されています!

https://rkb.jp/event/mucha2023/

興味が湧いた方は是非、足を運んで見てください。

きっと心が動かされる作品に出会えますよ!

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この記事を書いた人

Motto: チョコ過激派甘党所属

え?チョコレートって毎日食べるものじゃないんですか?食後に甘いものがないと夜しか眠れません。