こんにちは。お取り寄せ本舗スタッフです。
いつもお立ち寄りいただき、ありがとうございます。
12月もそろそろ中旬、年末年始の準備にお忙しい毎日かと思います。
冷え込む日も増えてきていますので、体調管理に気を付けて2021年の年の瀬を乗り切りましょう!
さて今回は、この季節に聞いたことがある方もいらっしゃるはず!?の九州のお歳暮文化「嫁ブリ」について、ご紹介したいと思います。
出世魚の代表格!地域によって異なるブリの呼び名
まずは「嫁ブリ」の主役、ブリについて調べてみました。
ブリといえば、成長の過程で名前が変わっていく「出世魚」として有名ですよね。ブリの他には、スズキやボラなども代表的な出世魚とされていますが、縁起の良い魚として、お正月や祝宴の料理などにもよく使われています。
ブリは成長に伴って様々な呼び名に変化しますが、それは地域によっても異なり、大きさが70~80cmを超えると、成魚として標準和名の「ブリ」に統一されるようです。
■代表的な呼び名の例
東北:ツベ→イナダ→アオ→ブリ
関東:モジャコ→ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
関西:ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
九州:ワカナゴ→ヤズ→ハマチ→メジロ→ブリ
私は魚に詳しくないので、モジャコやツバスと聞くと、もじゃもじゃの妖精や海外の国名(それはツバル!)のような名前だと感じてしまいます。
地域によって、フクラギ、ツバイソ、コズクラ、ショウジゴ等、実に様々な呼び方があり、なんと50種類以上の呼び名があるそうですから驚きです。日本広しといえども、地域性って本当に不思議ですよね。
ブリは漢字で「鰤」と書きますが、「師走に脂が乗ってきて美味しくなる魚だから」とする説や「あぶら」から転訛したという説もあるようです。
参考サイト
・ぼうずコンニャク「市場魚介類図鑑」
https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%83%96%E3%83%AA
大切に受け継ぎたい風習☆一生に一度の「嫁ブリ」とは
嫁ブリとは、結婚した年の暮れに、お婿さん側からお嫁さん側の実家にブリを贈る風習のことです。
家と家とのお付き合いの一つで、初正月を迎える節目のご挨拶になるため、お中元やお歳暮は申し合わせて省略したとしても、「嫁ブリ」は行っているというご家庭も多いようです。
「嫁いだ娘さんの“お嫁さんっぷり”がいい」=「いいお嫁さんをいただき、ありがとうございました」という感謝の気持ちを込めて、ブリを丸々1本贈ります。九州弁だと「よか嫁ぶりばい!」といったところでしょうか。
ちなみに「嫁ブリ」という名称は、寒ブリの語呂合わせという説もあるようです。本来は、お婿さんの両親も揃って直接ご挨拶に伺い、「嫁ブリ」をお渡しする風習でしたが、現在は通信販売を利用することが主流になってきています。
また、九州北部の漁村が発祥とされる風習で、博多商人によって広範囲に伝わったといわれています。
「嫁ブリ」の習わしは、現在、福岡県をはじめとする九州北部地方(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分)や山陰地方(山口・岡山)などで行われているようですが、北陸地方では、お嫁さん側からお婿さん側の実家にお歳暮としてブリを贈り、半身を三枚におろして送り返す風習があるそうです。
何とも手が込んでいますが、一生に一度のことですし、お嫁さんとしても「大切にされているな」と感じられる慣習ですね。
参考サイト
・日本郵便「郵便局のネットショップ」
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/oseibo_yomeburi.aspx
・玄海屋「壱岐島玄海屋」
https://www.genkaiya.com/index.html
幸せのお裾分け!「嫁ブリ」は年取り魚やお雑煮でいただく
最近は、丸ごと1本だと調理が大変だというご家庭も多いことから、三枚におろしたブリを贈る方もいらっしゃるそうです。熨斗の表書きは、初めて迎えるお正月ということから、「初正月」とします。
ブリは「年取り魚」として大晦日に食べる家庭も多く、福岡(博多)ではお雑煮の具としても用いられているため、お歳暮・お正月用として重宝される魚です。
ちなみに九州のお雑煮は、筑前・筑後などの地域や各家庭で少しずつ違いますが、一般的な博多雑煮は、焼きアゴで出汁を取り、ブリの切り身、かつお菜、蒲鉾、人参、椎茸などの具沢山が特徴で、お餅は丸餅を焼かずに煮て作ります。鶏肉やエビを入れる家庭もあり、満足度の高いお正月料理です。
「嫁ブリ」として贈るブリですが、約7kgのサイズだと体長は80cmほど。お刺し身の場合は約25人前、切り身の場合は55切れ前後になるようです。これだけ多いと、少人数のご家庭では食べ切れないこともあるため、親戚やご近所の方に「幸せのお裾分け」として配られるそうです。
うま味たっぷりで脂の乗った寒ブリは、冬にぜひ味わいたい味覚の一つ。日本海の荒波にもまれ、アジやイカなどを食べて丸々と成長したブリで作るお刺し身や塩焼き。寒い日はブリしゃぶ、ブリ大根などもいいですよね。想像しただけでお腹が鳴りそうです…。
もらって嬉しいお歳暮ギフト「がんこ漁師のブリの熱めし」
「九州お取り寄せ本舗」では、現在のところ「嫁ブリ」や活魚の取り扱いはありませんが、豊後水道の「豊の活ブリ」を使った商品がございますので、ここで少しご紹介させていただきます。
その名も…「がんこ漁師のブリの熱めし」です!
「熱めし」とは、漁師町である大分・蒲江の伝統的な郷土料理で、冷蔵庫のない時代に漁師が船上で刺し身を作り、醤油ダレに漬けて保存食として食べていたことがルーツとされています。
農林水産省の「郷土料理百選」にも選出されたこちらの商品、九州北部地方に伝わる「嫁ブリ」の風習を話題に、お歳暮として贈ってみてはいかがでしょうか。